「資産運用の第一歩は余剰資金を作ることから」という話

もし、「資産運用を始めたいけど、まず何から始めればいいかわからない」という人がいた場合、私なら

「支出を見直して、余剰資金を作る」

とアドバイスする。

 

これは、「証券会社で口座を開設する」よりも先にやるべきだと思っている。

 

当然だが、資産運用とは余剰資金で行うものであり、決して生活費に手をつけてはいけない。

 

 

まずは月1万円の余剰資金を作ろう

 

例えば、

「毎月1万円の余剰資金を作って、積み立て投資を始めたい」

と考えた場合、

①毎月1万円の残業代を稼ぐ(収入を増やす)

②毎月1万円の節約をする(支出を減らす)

どちらの方が効率が良いだろうか?

 

どちらも、「手元に1万円が残る」ことは同じだが、支出を減らすほうが圧倒的に効率的だ。

 

額面で1万円分の残業代を稼いだとしても、収入は課税されるので手取りは減る。

しかし、節約して得た1万円には課税されない。

 

そもそも、私は時間的な自由を得るために資産運用をしているので、「投資資金を稼ぐために残業する」だと本末転倒である。

 

支出の見直しは即効性があることもメリットである。

そして、支出の見直しは、通信費や保険料などの「固定費」から始めると良い。

固定費は、初めに設定してしまえば、その後の手続きは不要で節約が継続される。(数年に1回程度の見直しは必要)

 

今回は、私たちの日常生活の中で、見直すことができる「通信費」「光熱費」「保険料」「自動車の維持費」の4つについて記載する。

 

 

通信費

 

携帯電話の回線で、3大キャリア(ドコモ・auソフトバンク)を使っている人は、格安スマホに乗り換えるだけで通信費を大幅に減らすことができる。

 

格安スマホとは「楽天モバイル」「ワイモバイル」「UQモバイル」「ラインモバイル」などである。

 

私も実践したので、その効果は後述。

 

 

保険料

 

・生命保険

生命保険は扶養家族がいなければ加入不要。

扶養家族がいる場合でも、遺族年金の受給額についてシュミレーションしてから加入を検討すると良い。

 

遺族年金とは、国民年金または厚生年金の被保険者が亡くなった時に、被保険者の配偶者や子など、被保険者によって生計を維持されていた遺族に支給される年金である。

 

 

医療保険

医療保険はまず、傷病有給と傷病手当金の受給額をシュミレーションしてから加入を検討すると良い。

急な病気やケガにより働けなくなった場合でも、傷病有給と傷病手当金を使えば、ある程度の収入をカバーできる。

 

傷病有給とは、病気やケガにより、一時的に勤務不可能となった際に有給を使用して休める制度である。

傷病手当金とは、病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されるお金である。

 

 

日本は先進国の中でも賃金が低く、物価が高いが、社会保障は充実しており、それらを有効に利用すれば民間の生命保険や医療保険は不要だと私は思っている。

※個人の見解であり、民間保険の加入が必要かは、人それぞれのライフスタイルによります。

 

家財保険

賃貸物件に住んでいる人で、賃貸借契約時に不動産会社から勧められた家財保険に加入している人は多いと思う。

賃貸物件の場合、「家財保険の加入必須」が契約の条件であることがほとんどだが、保険会社までは強制されないことが多い。

 

不動産会社から勧められる家財保険の保険料には、不動産会社に支払われる紹介料が含まれているので、自分で保険会社を選ぶことで、同じ補償内容のまま保険料を半額以上も安くできる場合がある。

 

 

光熱費

 

電力会社を変更するだけで、変更する前と同様に電気を使っていても電気代が安くなる場合がある。ガス代も同様だ。

また、電力会社やガス会社によっては、電気とガスのセットプランを契約すると、料金が割引され、支払いもひとつにまとめられるので手間が省ける。

 

どの電力会社にするかは、比較サイトで料金シュミレーションをして決めると良い。

 

参考:価格.com - 電気・ガス料金比較

 

 

自動車は必要か?

 

自動車を所有しているだけで、税金、保険、車検など毎年多くの維持費が支出される。

自動車は、経理上では資産に分類されるが、資産形成において、自動車を所有することは負債を抱えている状況とも言える。

 

「自宅や職場が駅から遠く、車がないと通えない」

という人や、

「家族を病院や学校などに送迎する習慣がある」

という人以外は、車は不要だと思う。

 

必要なときだけタクシーやレンタカーを使えばいいし、どうしても所有したいという方は、維持費の安い軽自動車でいい。

 

※車を生活のためではなく、趣味で所有している人は別です。私の父は高級外車に乗ることに生きがいを感じる人ですが、私はその趣味を否定したり、高価な維持費を無駄使いなどと思ったりはしません。

 

 

実際に支出の見直しをやってみた

 

今年に入ってから、固定費の見直しを実践した。

私は実家暮らしで、養う家族がいないこともあり、「家財保険」「生命保険」「光熱費」は払っていないため、「通信費」と「自動車」について見直しをした。

 

・ドコモから楽天モバイル

私は長らくドコモユーザーで、インターネットもドコモ光を使っていたが、今年から楽天モバイルに変更した。

 

楽天モバイル回線は、3ギガまでの通信量なら月額の基本料が1,078円で、通話料も無料である。(Rakuten Linkというアプリを使って通話する場合)

 

また、「楽天モバイル回線と楽天ひかりを同時契約すると、楽天ひかりが1年間無料」という期間限定キャンペーンをやっていたので、インターネット回線も楽天ひかりに切り替えた。

 

ドコモを使っていた頃は、月々約10,500円の通信費だったが、楽天に変えたことにより、1,078円になった。なんと約90%の削減だ。

 

これで、1年間で113,064円の余剰資金ができた。

 

今のところ、通信の品質や速度に関して、特に不便さを感じることはない。

 

・車を手放した

かつては自動車通勤をしていたのでコンパクトカーを所有しており、毎日乗っていたが、6年前に転職してからは電車通勤になったので、週1日程度しか乗らなくなった。

 

これまで計算したことは無かったが、今年の初めに、車に掛かる年間の費用を計算した。

 

自動車保険 34,060円

自動車税 34,500円

駐車料金 61,320円(月極で月額5,110円)

車検 約50,000円(車の状態により変動する)

ガソリン代 約16,000円

洗車代 約3,000円(ガソスタの洗車機を使っていた)

合計 約198,880円

 

週1日程度しか乗らない車に、これだけの費用が掛かっていたことに驚いた。

もし事故や違反をしたら、修理代や反則金や賠償金でさらに出費は増える。

 

よって、今年の1月に車を売却した。

新車から13年も所有したコンパクトカーの売却額は4万円だった。

自動車保険と月極駐車場も解約した。すでに支払った保険料と自動車税の一部は還付された。

 

車を手放したことで、移動手段は必然的に徒歩か自転車か電車になったが、特に不便さは感じないし、今のほうが健康にも地球環境にも良い。

なにより、交通事故の加害者になるリスクが減ったので、心もスッキリした。

 

 

通信費の見直しで113,064円の削減。

自動車の売却で198,880円の削減。

合計で年間311,944円も余剰資金を作ることができた。

 

この資金は全てインデックス投資に回す予定である。

 

 

その他の節約術

 

資産形成の準備は「固定費の見直し」だけでも十分だが、その他にも私が実践した節約を列挙する。

 

ふるさと納税

ネットから好きな自治体に納税することができ、その自治体から様々な返礼品を受け取ることができる。(実際には税金ではなく寄付金という名目)

 

納めた寄付金は、所定の手続きをすれば、翌年の税金が還付される。(手数料として2,000円が発生する)

 

返礼品は、お酒やスイーツなどの贅沢品よりも、水・米・トイレットペーパーなどの日用品を選んだほうが、出費の削減に直結する。

 

 

・コンビニと飲料自販機は利用しない

コンビニや自販機で売っている商品のほとんどは、スーパーの方が安い。

例えば500mlのお茶は、コンビニや自販機では140円程度だが、スーパーなら同じ商品が70円程度で買える。半額だ。

たった70円の節約と思われるかもしれないが、1日1本消費する場合、365日だと25,550円の節約になる。

 

楽天経済圏で生活する

楽天カード」「楽天銀行」「楽天証券」「楽天モバイル」「楽天ひかり」など、様々なサービスを楽天に統一することでRポイントの還元率が上がる。

ふるさと納税も「楽天市場」を利用することで、手数料の2,000円をポイントでカバーすることが可能だ。

 

各サービスを契約するだけでポイントがもらえるキャンペーンもあり、私は今年、「楽天カード」「楽天モバイル」「楽天ひかり」を契約したことで、32,000ポイントのRポイントを得ることができた。

 

 

・物は最後まで使う

家具、家電、衣類、文具など、新商品に目移りせず、いま持っている物を最後まで大切に使い切った方が、家計にも地球環境にも優しい。

 

余談だが、私は漫画のワンピースが好きで、ルフィたちが乗船ゴーイングメリー号とお別れするシーンが特に好きだ。

 

メリー号は冒険の途中で、破損と修理を繰り返し、もう次の島まで渡ることができないほどにギリギリまで使用されたあと、海底へと沈み、永遠の眠りについた。

ルフィたちのように、物は愛着を持って最後まで使うべきである。

 

 

節約は楽しく行おう

 

世間には、

「お金を使うことに喜びを感じる人」

もいれば、対象的に

「節約し、ジワジワと増える資産額を眺めることに喜びを感じる人」

もいる。

 

おそらく、前者が普通の人で、後者のほうが一般的には異常者かもしれないが、後者のほうが資産形成においては有利だ。

私は断然、後者だ。お金を使うことよりも、節約することの方が楽しいし、経済・株価・社会保障・保険・税金など、お金に関する勉強も楽しい。

 

節約するために極貧生活をするのではなく、「生活の満足度を下げずに余剰資金を作る」というチャレンジをすることで、学びながら楽しく継続することができる。

 

 

・収支を把握するため資産管理アプリを使う

 

一般的に、収入は給与という形で月に1回振り込まれることが多いので、収入は把握しやすいが、月々の支出を正確に把握しているという人は少ないと思う。

収支の管理に便利なのが、資産管理アプリだ。

メジャーなアプリは「マネーフォワード」「マネーツリー」「Zaim」などがあるが、私は全て試した結果、今はマネーフォワードのみを使用している。

 

クレジットカードや電子マネーと連携し、キャッシュレス決済すれば、いつ、いくら払ったかがひと目でわかるのでお勧めである。

 

 

終わり。