「投資を始めないこともリスク」という話
私の投資スタイルは主に、以下の3点である。
・つみたてNISAを満額(月33,333円)、全世界株に積み立て設定。
・iDeCoを最低額(月5,000円)、全世界株に積み立て設定。
・賞与など、さらに余剰資金があれば米国株のインデックスファンドを追加購入。
月々の収入から投資に回せる金額は人それぞれだが、資産形成においては、このように
・非課税制度を使ってインデックスファンドに積み立て設定
・さらに余剰資金があればインデックスファンドを追加購入
という方法でほぼ間違い無い。
・リスク資産の割合が95%を超えた
私は実家暮らしなので、収入のうち投資に回せる金額の割合は多い。
娯楽費用さえ無ければ、毎月30,000円程度で暮らすことができる。(通信費、食費、消耗品費のみ)
無駄遣いを防ぐため、給料日になると、最低限の生活費を給料口座に残して、あとは証券口座に移している。
気づけば、私の金融資産のうち、リスク資産の割合は95%を超えた。
※リスク資産…株式、投資信託、債権など、現金以外の金融資産のこと。
さすがにリスク資産95%は多すぎると思われるかもしれないが、私の場合は生活費が比較的少なくて済むことと、いざとなれば投資信託を現金化すれば資産比率を変えることもできるので、これで良いと思っている。
・株は損するからやめたほうがいい?
ある日、同居している両親と投資の話をした。
「資産の95%を米国株と全世界株で運用している」
と話したところ、母からこう言われた。
「株なんて損するリスクがあるから、働いて得たお金は大切に貯金しなさい」
“株は損をするリスクがある”は、確かにその通りだが、逆に「投資を始めないリスク」というものも存在する。
「リスクを恐れて投資しない」ということは、言い換えるなら「日本円に100%投資している」という状態である。
・「あのとき買っていれば」という例え話
こちらの画像を見て頂きたい。
引用:https://kabu.com/sp/item/foreign_stock/us_stock/column/5.html
これは、日経平均株価と、NYダウの30年間の値動きを示したグラフである。
アメリカ株の平均的な値動きを示すNYダウは、30年で約12倍に成長しており、2021年は過去最高値を更新した。
時折、リーマンショックやコロナショックにより大暴落を経験しているが、その後は数年間で回復している。
それに対し、日経平均株価は過去30年にわたって横ばいである。
もし、30年前に米国株のインデックスファンドを購入していれば、その資産は今、12倍になっていた。(管理手数料を考慮しない場合)
このように、投資の界隈でよく持ち出されるのが、
「あのとき、あの株を買っておけば、今ごろ○倍になった」
という話である。
例えば、ステーブ・ジョブズが初代iPhoneを発表した2007年1月9日に、もしアップルの株を100万円分買っていたら、今いくらになっていただろうか?
正解は、4,518万円だ。約45倍である。
「あのとき買っておけば良かった」などと過去を悔やんでも仕方ないが、未来は変えることができる。
日本円に100%投資しても、資産はおそらく増えない。
むしろ、物価の上昇とともに資産価値は減る。
アメリカ経済の未来がどうなっているかは誰にもわからないが、アメリカの経済が右肩上がりで成長してきたことは過去の歴史が示している。
・日本の賃金は上がっていない
続いて参照して頂きたいのが、先進国の賃金の推移を示したこちらのグラフである。
引用:https://fpcafe.jp/mocha/2784
先進国のほとんどが過去30年に渡って、右肩上がりで賃金が上昇している。
しかし、日本は30年前と比べて、平均賃金がほぼ横ばいである。
私自身、10年以上もサラリーマンを続けているが、賃料が上がらないことは身に染みて感じている。
私の賃金が上がらない理由は、私自身の能力や、会社からの評価が低いことが理由だと思っていたこともあった。(もちろんそれもあるだろう)
しかし、日本は国全体の経済が成長していないため、各企業が資金を守る姿勢に入っているということも、賃金が上がらない大きな要因である。
また、賃金は過去30年、上がっていないにもかかわらず、日本はこの30年間で、消費税、社会保障料、物価は上昇しており、普通預金の金利は下がっている。
実質的に、私たちの生活は貧しくなっているといえる。(もちろん、テクノロジーの発達により豊かになっている面もあるが)
これらの現実を踏まえ、
「日本においては、給与所得だけで資産形成しようと思っても、一生お金持ちにはなれない。」
と考えるようになった。
やはり、資産形成をするなら、
「毎月、余剰資金を米国株(もしくは全世界株)に長期間インデックス投資する」
が正解であるという結論に達した。
余談ではあるが、私の親世代が現役バリバリで働いていた1980年代末期から1990年代初頭は、日本の景気がバブルで、定期預金の年利は6%もあった。
この利回りをほぼノーリスクの定期預金で実現できたことは、今では考えられないことである。
バブル景気を経験している母が「株なんて損するリスクがあるから、働いて得たお金は大切に貯金しなさい」と言ったこともうなずける。
(ただ、そろそろ価値観をアップデートして欲しいとは思う。今は2022年だ。)
・投資を始めるには今が一番いい
よく「株は買うタイミングが難しい」という悩みを聞く。
暴落したときに底値で買うことができれば理想的だが、いつ暴落するか、また、どこが底値なのかは誰にもわからない。
しかし、インデックス投資は10年や20年という長期間で行うことが前提なので、短期的な暴落は気にしなくていい。
誰しも「今が人生で最も長く投資ができる時」なので、資産形成に興味のある方には、すぐに始めることをオススメする。
終わり。
※この記事は私の経験と考えをまとめたものであり、すべての方に投資を推奨するものではありません。この通りに実践しても損をする可能性は十分にあります。